日本文学の歴史 (1) 古代・中世篇 1

出版时间:1994-5  出版社:中央公論社  作者:ドナルド キーン  

内容概要

外国人が日本の読者に日本文学史を発表するには、相当勇気がいる。それは日本文学が好きでたまらない情熱がそうさせるのだ。その類い希な情熱に惹かれて読者が増えるのだろう。
日本文学通史、その1としての本書「古代・中世篇」1994年に初版、続刊が次々に出されることになった意義は大きい。当世権威を持つ文学理論をあまり利用せず、事実の羅列も避け、主観を交え(当然、好き嫌いも滲み出るが、抑え気味に)親しみ深く著している。
もともと英語で書かれたこの文学史、一部英語を残し、日本語訳になっている。「万葉集」が160ページ、本書の半分を占め、読み応えがあり、「英訳万葉」を数多く掲載してくれているのはありがたい。一例に過ぎないが、五行詩として万葉の名歌を次のように訳している。
あかねさす紫野行き標野行き野守は見ずや君が袖振る   額田王
On your way to the fields
Of crimson tinted lavender,
The royal preserve,
Will the guardian notice
If you wave your sieeve at me?
ご自身流暢な日本語がしゃべれるわけではないが、日本人の心を、その文学に表れた魂を捉えてくれる文化人。日本人の宝=ドナルドキーン。
日本人の誰もやらなかったたいへんな偉業の第1巻。個人による壮大なスケールで描いた「日本文学史」。だが内容は誠実でてらいも無く、しかし明瞭な叙述。長いこと「日本文学の教科書」としてスタンダードであることは間違いないと思う。第1巻は、古事記、万葉集、最澄、空海を扱うが、冒頭の「序」が、日本文学全体に対する著者の見識が示され実に興味深い。「比較文学」とは得てして落ち着きの無い空虚なものと思いたくなるが、この「序」は見事な比較文学にもなっている。欧米文学の素養、さらに、中国語も分かっている著者の学識、何よりもオールラウンドに強い日本文学の知識、これらを駆使して照らし出される「日本文化論」としても素晴らしい。とくに日本語の姿を描き出す辺りは、言語論や比較言語学といったものとは別の視点で興味深いものがあった。「古事記」や「万葉集」に対する解釈は、日本人なら普通に共有するであろう曰く言いがたい雰囲気の前提が全く無く、拍子抜けの感じもするが、逆に明瞭で英訳とともに、別な側面を教えられる。「古事記」についてはよくもこんなことまで、と思いたくなるような色んな知識も紹介され勉強になるし、万葉集は、詩歌の選択が著者独自のものもあってこれまた教えられるところが多い。各章末に置かれる文献表も相当な量で、著者の渉猟にも敬服する一方、学術論文で無いのに、きちんとこういうものも提示するフェアーな姿勢は好感が持てる。

图书封面

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