煙とサクランボ

出版时间：2011-11-17  出版社：光文社  作者：松尾由美  

内容概要

皮肉屋のバーテン・柳井のバーの常連、自称早期退職者の紳士・炭津は１４年前に死んでいる。実は、幽霊だ。一部の人間を除き、そのことは誰も知らない。ある晩カウンターで、炭津は、同じく常連の兼業漫画家・立石晴奈に、同業者に対する「復讐」をすすめていた。それは、相手の作品を換骨奪胎し、まったく別のもっと素晴らしい作品に仕上げる、という一風変わった「復讐」だった。立石家には、晴奈が５歳の頃、自宅が全焼した焼け跡から、家族の誰も知らない女の写真が出てきた、というエピソード「立石家の謎」がある。柳井に「名探偵」と持ち上げられた炭津は、推理を語ることを避けたが、そもそも彼は晴奈のことを、ずいぶん以前から知っているようでもある――。独特な設定に唸る、一風変わった恋愛ミステリー登場！