男同士の絆

出版时间:2001-2  出版社:名古屋大学出版会  作者:Eve Kosofsky Sedgwick  译者:上原 早苗  

内容概要

1985年、イヴ・K・セジウィックの名を広く知らしめ不動のものにしたのが『Between Men』(邦題『男同士の絆―イギリス文学とホモソーシャルな欲望』)である。本書は、フェミニズムからジェンダー論、レズビアン・ゲイ理論が興ってくるちょうど転換期に著され、そのパラダイム転換を象徴する書としてさまざまな分野から注目されてきた。あえて男性同士の関係を問題にした点でフェミニズム論の中で異彩を放っている。女性あるいは同性愛の抑圧機構を告発していくフェミニズムの方法は、逆に女性や同性愛者をマイノリティーの位置に執拗に固定化させてしまうという問題にぶち当たり隘路(あいろ)に陥っていた。そうした状況において、本書が提示した方法論は理論的突破口を開いたといえる。
また、本書の理論が徹底的にイギリス文学を読み解くことで構築されていることも強調すべき点である。文学を丹念に読み解くことで、たとえば従来の家父長制あるいは産業革命以後の近代家族の枠組みで構築された性差の理論からは抜け落ちてしまう階級差の視角が取り込まれている。
本書でとりわけ重要な用語となるのが、男同士のきずなの上に成り立った社会制度を支える「男性のホモソーシャルな欲望」である。男性社会(ホモソーシャル)の裏面にホモセクシュアルが切れ目のない連続体としてありながら、ホモフォビア(同性愛嫌悪)がそれを切断する、というこの図式は有用な方法概念として広く流通していったが、セジウィックはそれをスタティックな公式として提示しようとしたわけでは決してない。シェイクスピアの『ソネット』からはじめ、19世紀中葉までを通時的に見通していくことで、ホモフォビアによる切断の地点を歴史化しようとするのが本書の主要な趣旨である。セジウィックによれば、その切断の地点は18世紀から19世紀に出現したゴシック小説において初めて見いだされる。20世紀以後の展開に関しては、本書の続編として『Epistemology of the Closet』(邦題『クローゼットの認識論』)がすでに用意されている。
セジウィックの文章は読者へのサービス精神に満ちており、理論書にして抜群のおもしろさを保っている。しかしなんといっても、本書の魅力は、実際のイギリス文学を相手にしたときのその手さばきと語り口にある。
ミシェル・フーコー『The History of Sexuality』(邦題『性の歴史1 知への意志』『性の歴史2 快楽の活用』『性の歴史3 自己への配慮』)に連なる必読の書。(木村朗子) --このテキストは、 ペーパーバック 版に関連付けられています。

图书封面

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